料理とワインのマリアージュ

2013年 6月 12日

料理とワインのマリアージュレッスン 26 

このコーナーでは、フランス在住のソムリエ、Juli ROUMETさんによる、DDCレシピに合わせたワインの提案コラムをご紹介します。上田淳子シェフが選んだレシピ2品の組み合わせに、ソムリエのJuliさんがぴったりのワインをセレクト。DDCのE-レシピブック『Seasonal Recipes』に収録された解説を抜粋し、ロングバージョンにしたものです。かなり詳しく具体的なおすすめを紹介してくれていますので、とっても参考になりますよ!

第26回は、新じゃがと新玉ねぎのサラダ+鰹と新玉ねぎのマリネ(E-BOOK春号掲載)と一緒に飲むワインについて。



たとえばこんなシチュエーション…<作っておける旬の組み合わせ>

こっくりした甘みを感じさせる新じゃがとマスタードとくれば、シャルドネ。樽の香りをほとんど感じないくらいの素直なシャルドネが合うと思います。ブルゴーニュなら、マコンやコート・シャロネーズなどの南の地域の白は最近特に品質が高く、お買い得なブルゴーニュワインとして注目を集めている産地がおすすめ。新玉ねぎの甘みと苦みともに、ワインのミネラルの風味が調和します。

そして鰹と新玉ねぎのマリネは、赤が素晴らしく合うと思います。マリネにしょうゆが使われていますが、しょうゆは葡萄品種で言うとサンジョヴェーゼやメルローの相性がよいので、キャンティ・クラシコやトスカーナのメルローブレンドの赤ワインには言うまでもなく、若いタンニンのとがった赤ワインでも問題ありません。ポルトガルやスペインの赤でも合いますし、ちょっと冷やしたドライシェリーにも合うと思います。

鰹は赤ワインの方が合う傾向にありますが、実はこの2皿、シャンパンにとても合います。鰹がたとえばマリネではなくたたきなど、繊細な風味を感じられる調理の場合は、ミネラリーなシャブリやプイィ・フュメなどがいいですね。個人的にはドライシェリーや日本酒を合わせたいなあと思ったりします。

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2013年 6月 05日

料理とワインのマリアージュレッスン 25

このコーナーでは、フランス在住のソムリエ、Juli ROUMETさんによる、DDCレシピに合わせたワインの提案コラムをご紹介します。上田淳子シェフが選んだレシピ2品の組み合わせに、ソムリエのJuliさんがぴったりのワインをセレクト。DDCのE-レシピブック『Seasonal Recipes』に収録された解説を抜粋し、ロングバージョンにしたものです。かなり詳しく具体的なおすすめを紹介してくれていますので、とっても参考になりますよ!

第25回は、そら豆とアスパラガスのフリカッセ鰆とグリーンピースのピラフと一緒に飲むワインについて。



たとえばこんなシチュエーション…<初夏の夕暮れ、新緑尽くしメニュー>

そら豆とアスパラガスのフリカッセは、先々週に別の組み合わせでワインを提案しましたが、今回の組み合わせで提案したいワインは、アルザスかドイツのリースリングです。また、双方に夕暮れに映える濃い色のロゼ、ボルドーも合います。きりっと冷やしても香りが華やかなので、夕暮れを見ながら香りのマリアージュでも楽しめそうです。

ロゼの色合いは多彩で、それは葡萄品種由来のものであったり、醸造の方法の違いだったりするのですが、ボルドー地方ではボルドー・ロゼと名乗るためには色合いが一定レベルに濃くなくてはいけないというお約束があります。私の知り合いのボルドーの醸造家が、どうしてもきれいなピンク色のロゼを造りたくて、何度も申請をしたそうですが、ついぞボルドー・ロゼという認可は降りず、もっと濃い色じゃないとダメ、と頑ななまでに拒否されて、ヴァン・ド・ターブル(地酒)扱いにされるのが耐えられず、ロゼワインを造ることをあきらめてしまったという実話があります。

色合いについて、何故そこまで頑なに、カシスのような赤い色のロゼでなければならないのか、理由は定かではありませんが、こんな話をふと思い出します。

その昔、ボルドーを含むアキテーヌ地方の赤ワインの色調は、今と違ってとても明るくて薄い色であったため、薄い赤色を意味するクレーレと呼ばれていました。それがイギリスに渡ってボルドーの赤ワインはクラレットと呼ばれるようになり、少しネガティヴな意味で薄っぺらい赤ワインという意味でも使われるようになりました。どうもアキテーヌ地方の人達には、クラレットは「薄い赤」というより極めてロゼに近い淡い色の赤ワインを想起させるようで、淡い色のロゼにはボルドー・ロゼを名乗るお許しが出ないようなのです。

ボルドーのワインの歴史において、クラレットという呼ばれ方は(イギリス人に悪意はなかったにしても)よほど誇りを傷つけられた思い出なのでしょうが、イギリス人の中には今でも濃い色調のボルドーワイン(有名なシャトーなど)であっても、習慣的にクラレットと呼ぶ人がいたりします。

そういえば、ジェームズ・ボンドもボルドーの赤を注文する際に、「クラレットを」と言っているシーンがあります(往年のショーン・コネリー・ボンドだったと思いますが、今のダニエル・クレイグ・ボンドは言わないかも知れませんね)。今週はちょっと脱線気味の、ボルドーワインのエピソードでした。

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2013年 5月 28日

料理とワインのマリアージュレッスン 24

このコーナーでは、フランス在住のソムリエ、Juli ROUMETさんによる、DDCレシピに合わせたワインの提案コラムをご紹介します。上田淳子シェフが選んだレシピ2品の組み合わせに、ソムリエのJuliさんがぴったりのワインをセレクト。DDCのE-レシピブック『Seasonal Recipes』に収録された解説を抜粋し、ロングバージョンにしたものです。かなり詳しく具体的なおすすめを紹介してくれていますので、とっても参考になりますよ!

第22回は、シェーブルチーズのトマトファルシ+ほたるいかと新玉ねぎの冷製カッペリーニと一緒に飲むワインについて。


たとえばこんなシチュエーション…<温かい前菜と冷たいパスタでおしゃれランチ>

ランチということで、ちょっと気軽に、でもしっかりおいしく。シェーブルチーズはくせのある味わいというイメージを持たれている方が多いのですが、フレッシュなシェーブルはさわやかでくせがなく、ワインにも素直に合わせやすいチーズです。フランスではロワール地方と大西洋に近いロワールから南下したポワトゥ地方で多く作られています。

ということで、白ワインならロワールのソーヴィニョン・ブランとは文句なしの組み合わせ。赤がお好きな方、もしくは磯っぽい風味がやや苦手な方には、心地よい苦みを持つ赤ワインがほたるいかの磯の風味や内臓の苦みをマスクしてまろやかに合わせてくれます。

ワイン1本でこの2皿通したい時は、ロワール地方ヴーヴレィの辛口スパークリングがばっちりと合います。海の幸と合わせると、北東地方のワインでも何故かリゾート地の潮風に吹かれているようなさわやかな心地が広がります。特に、アンモナイトや魚介類の化石がたくさん出て来る土壌のワインは海産物との相性がいいです。

さて、ヴーヴレィ、こちらはロワールのシュナン・ブランです。ほたるいかのうまみを全面的に楽しみたい場合は、もう少しふくよかな味わいの白ワインがいいです。カリフォルニアのシャルドネや南仏のコート・デュ・ローヌのグルナッシュ・ブラン系などのこっくりした白でも合うと思います。磯フレーヴァーがお好きであれば、リッチな感じでシャンパン(コクのあるタイプ)なども1本で通してお食事タイムを華やかに飾ってくれます。

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