2013年5月

2013年 5月 30日

パイナップルのタルト



よく熟した甘いパイナップルが店先に並ぶ季節となりました。生で食べてももちろんいいけれど、加熱してもおいしいこのフルーツ。甘酸っぱさとほんのりした甘みが初夏にぴったりのタルトに仕上げてみませんか。

(レシピはこちらの本に収録されています)
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2013年 5月 30日

Delicious Dining Club誕生ストーリー(中編)

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DDCのルーツについて、15年前のことから書き始めてみたら
なんだかいろんなことを思い出してきました。
今日は、今月初めに書いた前編の続きを書こうと思います。
前編のお話の内容は、こちらをご覧ください!

・・・・・

私は2005年から、インテリア雑誌の編集部に異動になり
責任もさらに重くなって、深夜帰宅や休日出勤は日常のこととなり、
月一回のお料理教室には、まったく出席がかなわなくなりました。
「今は仕事に集中すべき時期なんだ」と悟り、教室はお休みすることにしましたが
その間も、教えてもらったレシピを深夜と週末に作り続け、
そのおかげで、どんなに疲れていても手作りの食事をとると
心身ともに、いっぺんに回復できる体質になりました。



ある冬の日は、0時半帰宅。お湯を沸かしている間に着替えて、
ブロッコリーとパスタを一緒にゆでて、同じ鍋でにんにくとアンチョビを炒めて。
一気に作るヘルシーなブロッコリーのパスタで、深夜の幸せな腹ごしらえです。
ある夏の日は、帰りが遅くなっても余裕でタンドリーチキン。
鶏肉をヨーグルトベースのマリネ液に漬けこんでおき、
帰宅したらむね肉だけ取り出してオーブンで焼いて、
残りの漬け汁ともも肉は鍋にあけて加熱。
ビール飲みながらタンドリーチキンを食べて、
バターチキンカレーを残り物のごはんにかけて、十分元気復活です。



撮影が続いてちょっと疲れている日は、
小さな牛ひき肉1パックと粒マスタードがあれば
5分で準備できる、ステーキ・アッシェ。
葉野菜をたっぷり添えて、赤ワインと一緒に。
豚肉とごぼうのバルサミコソテー、サーモンのサラダオムレット、冷製パスタいろいろ。
ああ今日も助かった、と何度思ったことでしょう。

朝、冷蔵庫にワインを入れて出勤。
寝不足でも、残業続きでへろへろになっても、
私はきっと大丈夫。上田先生のレシピがあるから。
それに、冷蔵庫にビールとワインが冷えているから(笑)。



時は流れ、2009年の秋。
私は予定していた通り、20年間の会社員生活を卒業しました。

当時すでに料理本、特に子どものお弁当などの分野で
ベストセラーを連発していた上田先生ですが、
私がピカイチだと思っている、フランス料理の知識と経験をベースとした
プロの技術を家庭料理に実践的に応用する秀逸な方法論については、
まだ当時は、かなり一部の人にしか知られていませんでした。

2010年初めのある日、私は上田先生に相談に行きました。

「先生から10年間習ったお料理の、ベストオブベスト集を作りたいんです。
いつかレシピブックを出版することを目指して、
プロデュースと編集を私にやらせてください。
季節ごとに撮影をさせていただいて、料理の写真を撮りためて、
ウェブサイトや本で発信する、共同メディアを作っていきませんか」

おそらく、上田先生にとっても
良いタイミングだと判断してもらえたのでしょう。答えは即答でした。

「いいね。ぜひやりましょう! 
これからのことや進め方、すべておまかせします。
まずは田村さんがいいと思う私のレシピを、
季節ごとにセレクトして、リストにして教えて。
すぐに撮影を始められるよう、準備を始めるから」

それから家に帰ってすぐ、我が家の本棚にストックしてあるスクラップブックから、
時を経て少し色の変わった、10年分のお料理教室のレシピがプリントされた紙を取り出しました。
右手にはノート。撮影したい料理をリストアップするところから、作業が始まりました。

・・・・・

レシピのリストを作りながら、ずっと考えていました。
抜き出した料理は、ゆうに200はあります。
…これだけの料理の撮影、いったいどうしようかなぁ。

前述のとおり、社員編集者時代の私は平日、ほぼ毎日深夜残業でした。
夜中まで帰ってこない妻が、平日はほとんどごはんを作ってくれないので、
当然、家では旦那がいつも不機嫌でした。

「プラダを着た悪魔」という映画がありますよね。
大好きな映画なのですが、確か主人公がファッション誌の新米編集者。
一緒に住んでいる彼の誕生日に、家で夜、一緒にお祝いをする予定だったのに
仕事が長引いてしまい、どうしても約束した時間に帰れなくて、
夜中に急いで家に戻ると、しょんぼりと彼が待っていて…というシーン、ご存じですか。
あのシーンを見ると悲しくて、泣くシーンじゃないのに大泣きしてしまいます。
我が家はあんなおしゃれなカップルではないんだけど、
とても似たシーンが、本当に数えきれないほど過去にあったので。

旦那は私が帰ってこない日、
お弁当を買って食べてもおいしくないし、つまらないので、
初めはしかたなく、料理を始めたようです。
でも、自分でおつまみやパスタを作ってワインを飲みながら食べる、という習慣を
10年ほど続けるうちに、彼もすっかり料理が好きになり、
最初はやかんでお湯を沸かすことしかしなかったのに、
いつの間にか、自分で献立を考えて料理が作れる人になっていました。

旦那は、出版社の専属カメラマンでした。
雑誌の写真を撮るいわゆる「社カメ(社員カメラマン)」なので、
人物、ファッション、インテリア、旅…撮影のテーマは多岐にわたります。
平日はもちろん朝から毎日撮影があり、それなりに多忙です。
同じ「社カメ」に料理専門のカメラマンがいたため、
実はかなり好きな料理の撮影の仕事は、あまり回ってこないようでした。

ある日、私は旦那に、上田先生の料理プロジェクトを
長期間かけてやりたいと思っていると話しました。



「…で、撮影は誰に頼むの?」
「どうしようかなぁ…長丁場だし、何人か交替でお願いする候補は考えているんだけど」
「俺の休日に撮影設定できる?」
「えー、できると思うけど、1年に8回くらい撮影する予定だよ。休日なくなるよ。大丈夫?」
「予定は前もってわかるんでしょ?」
「そうだね、今から考えれば…」

旦那は飲んでいたワインのグラスをテーブルにポンと音を立てて置いて、
こちらに向き直って、言いました。
「…あのね、その撮影はもちろん俺が全部やる。
他の人に頼んだら怒るから、そのつもりで」

・・・・・

当初、料理を盛りつける器は上田先生宅と我が家にあるものを使って、
テーブルクロスやランチョンマットで変化をつける形を考えていました。
でも私は器選びやスタイリングの専門家ではないので、
せっかくの料理をきちんと見せるには、完成度の点で
ちょっともの足りないなと悩んでいました。
プロの手を借りられたら、先生のお料理がもっと映えるのに…。

そんなある日、確か広尾のカフェでした。
雑誌の撮影の仕事で長いお付き合いがあり、
さりげなくて品のあるスタイリングと誠実な人柄をずっと信頼している
インテリアスタイリストの小山佳子さんと会い、
別件の打ち合わせが終わった後の雑談タイム。
「今、お料理の先生と作品撮りをしようとしていて、
ゆくゆくはこういうプロジェクトを考えているんだけど、
時々撮影に参加してもらって、スタイリングをお願いすることってできませんか?
毎回じゃなく、難しい料理のときだけでいいので」と、
思い切って聞いてみました。



小山さんは、インテリア全般のスタイリングが専門。
料理やテーブルが専門ではありません。
でも、どんなに忙しくても自分で毎日きちんと料理をする習慣を持ち、
そして、なかなかのお酒好きということを知っていました。

「毎日料理することが当たり前でちょっと飽きちゃった人も、
忙しくて料理する時間がない人も、おいしいものが食べたいのは同じ。
ただの手抜き料理じゃいやだ、という人、いますよね。
そういう人たちにこそ知ってほしい料理なんです。
上田先生はプロ中のプロで、
技術に裏打ちされた、実際的な工夫がしてあるレシピなので
そういう、きちんとおいしいものが食べたい人に伝えたいんですよ。
でもビジュアルは、ちょっと外国の雑誌みたいに、
かっこいいスタイリングと写真で…」

まだ話が全部終わっていない時点で、小山さんはにっこりと笑って言いました。

「そんな楽しい企画を考えているのね!
一部だけなんて言わないで全部、それも最初から関わらせてほしい。
いつから撮影を始めるんですか?」

彼女の答えも、とても早かった。
このとき、上田先生と小山さんは、まだ会ったことがありませんでした。

こうして2010年の春、Delicious Dining Clubの制作チームが結成。
2年に及ぶ撮影が始まりました。

…なんと、後編のつもりが、長くなりすぎて中編になってしまいました。
今度こそ完結編の、後編に続きます。

(田村敦子)

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2013年 5月 28日

料理とワインのマリアージュレッスン 24

このコーナーでは、フランス在住のソムリエ、Juli ROUMETさんによる、DDCレシピに合わせたワインの提案コラムをご紹介します。上田淳子シェフが選んだレシピ2品の組み合わせに、ソムリエのJuliさんがぴったりのワインをセレクト。DDCのE-レシピブック『Seasonal Recipes』に収録された解説を抜粋し、ロングバージョンにしたものです。かなり詳しく具体的なおすすめを紹介してくれていますので、とっても参考になりますよ!

第22回は、シェーブルチーズのトマトファルシ+ほたるいかと新玉ねぎの冷製カッペリーニと一緒に飲むワインについて。


たとえばこんなシチュエーション…<温かい前菜と冷たいパスタでおしゃれランチ>

ランチということで、ちょっと気軽に、でもしっかりおいしく。シェーブルチーズはくせのある味わいというイメージを持たれている方が多いのですが、フレッシュなシェーブルはさわやかでくせがなく、ワインにも素直に合わせやすいチーズです。フランスではロワール地方と大西洋に近いロワールから南下したポワトゥ地方で多く作られています。

ということで、白ワインならロワールのソーヴィニョン・ブランとは文句なしの組み合わせ。赤がお好きな方、もしくは磯っぽい風味がやや苦手な方には、心地よい苦みを持つ赤ワインがほたるいかの磯の風味や内臓の苦みをマスクしてまろやかに合わせてくれます。

ワイン1本でこの2皿通したい時は、ロワール地方ヴーヴレィの辛口スパークリングがばっちりと合います。海の幸と合わせると、北東地方のワインでも何故かリゾート地の潮風に吹かれているようなさわやかな心地が広がります。特に、アンモナイトや魚介類の化石がたくさん出て来る土壌のワインは海産物との相性がいいです。

さて、ヴーヴレィ、こちらはロワールのシュナン・ブランです。ほたるいかのうまみを全面的に楽しみたい場合は、もう少しふくよかな味わいの白ワインがいいです。カリフォルニアのシャルドネや南仏のコート・デュ・ローヌのグルナッシュ・ブラン系などのこっくりした白でも合うと思います。磯フレーヴァーがお好きであれば、リッチな感じでシャンパン(コクのあるタイプ)なども1本で通してお食事タイムを華やかに飾ってくれます。

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